ピアスはNG
その日は

モヤモヤしたまま
帰宅すると

たまたま早く
オヤジが帰っていた。



ヤバッ!


うちはあることを
思い出した。




ヤッベェ〜!



うち

髪の茶髪スプレー


学校で落としてくるの

忘れた!!



時すでに遅し。




オヤジは
いち早く気づき


うちの髪をグイッ
とつかんで


近所にも響き渡る
大声で



「おまえ
髪を染めただろう!!



なんなんだ
この髪はー!!」





ガンッ!!





ゲンコツで頭を殴られ



さらに頬を平手打ち!




うちは

怖いし、痛いしで

ポロポロ泣きながら


「ごめん…なさい……。


洗えば落ちる
やつだから…



今すぐ落としてくる。」



と風呂場へ逃げ込んだ。





うちの家は
古すぎて
シャワーがない。


たまたま母さんが
追い焚き
しといてくれたので

洗面器でお湯を取り
ジャバジャバ流した。




シャンプー
シャカシャカ
しながら




うちは悔しくて

ポロポロ泣いた。






「なんで…。


なんでうちだけ…。


うちだって

みんなと同じ

おしゃれ
したいよー…。」
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