らっこの国のお姫さま
『姫……。大変です。
姫出演の国民放送の視聴率が下がっております。』

眠る姫の元へじぃがやって来てそう告げました。

「それって、こんな午前4時に言わなきゃいけない事きぅ?」

じぃはハッとしました。

姫がベッドの上でらっこなのに正座していました。

「いいじゃないきぅ!
この国は今は亡き姫のお父様とお母様の二人に、じぃの三人、そして姫と他国より来た王子に飼育係の5人でした!」

姫が険しい顔でじぃに言いました。

『姫……。
6人でございます。』

じぃが姫の間違いを正しました。

「そんな間違いを正して、私に勝ったつもり……キゥ?
下がりなさいっ!……キゥッ」

じぃはトボトボと姫の部屋を出て行きました。


「こきゅみん……
コキュミン……って、貝やウニがあるんたからいいじゃないきぅ。」

姫は泣きながらまた眠ってしまいました。

しばらくして隣の部屋から出て来た飼育係が、姫の頭のリボンを直しながら言いました。

『大丈夫。
大丈夫。』

それは姫の両親がまだ生きていた頃に姫が泣いている時に言っていたおまじないの言葉でした。

『姫、じぃは姫が心配なのですよ。
私はいつまでも姫のお側にいて姫をお守り致します。

だから、大丈夫。大丈夫。』

その頃姫は大好きな金城武と、ウニを両手にドライブしている夢を見ていました。

『大丈夫。
大丈夫。』

運転席の金城君が姫にそう言い微笑んでリボンを直してくれました。

『姫、何の夢を見ているんだろう。』

泣いていた姫がニッコリ笑っていました。

外は雨が降り始めていました。

『今日は雨か……。』

飼育係が曇り空を見上げて呟きました。

ウミネコも雨に打たれていました。
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