ジェネシス(創世記)
メソポタミヤ文明(チグリス川とユーフラテス川が合流する地域)

 聖書によると、ノエルの方舟はアララト山に漂着したことになっている。私の推測では、方舟ではなくノエルの家族が、アララト山の麓に定住したと思う。

例え大洪水といえども、あの山に船が辿り着くとは考えられない。山に、方舟の残骸はない。

 紀元前八五00年頃、この三日月地帯にノエルの長男ザム(ザム語族のルーツ)の子孫が、

移住するようになってから農耕技術が発達した。ザム語からヘライ語、フェニキア語、ギリシャ語・アラビア語・ローマ語・アルファベットへと受け継がれていく。

 次男ベーテの子孫(クシュ、エジプト、プト、カナン)は、北アフリカを中心に移住し、ベーテ語族やカナン語族となり、ここからパレス系の民族が輩出された。私の時代になるとベーテ語族は消滅し、ザム語族がここの文明の礎を築くことになった。

 しかしながら、これらの文字や言語、科学技術を発達させたのは、ノエルの子孫だという記録は何一つ残っていない。文献がない以上、これらは単なる私の憶測にすぎない。



< 175 / 375 >

この作品をシェア

pagetop