ジェネシス（創世記）

　私の知り合いに考古学者がいる。地層の中から、その怪獣たちの「化石」を発掘していた。

はるか太古の時代に絶滅したと言われる、怪獣たちの生き残りが、この小さな島にまだ生存していたようだ。しかもあの禁断の山に、人知れず悟られることなく、生き延びていた。

　いや、そういう怪獣が存在していたであろうという噂は、以前からも知られていた。最近の研究では、それを「首長竜」と断定した。

　それから数百年後、科学も進歩するとアダの言う「怪獣」探しが始まった。探検隊が政府の許可を得て、禁断の山に登って捜索を続けた。

少数ではあるが、怪獣たちの存在が確認された。「恐竜」と名付けられた。恐竜たちは絶滅しかけている。特別天然記念物として保護され、この禁断の山は「国立公園」に指定された。

　恐竜たちの姿は「大きめの石」に描かれ、博物館で、今は目にすることができる。絵を描(か)いた作者の名前をとって、それらの石は「カブレラ」と呼んだ。しかし私の時代には、「恐竜」はもう絶滅していた。