ジェネシス(創世記)
居住地の建設は、地下に作られた。地表に施設を建設するには、壁と壁との間に厚さ一0センチメートル以上の「水または氷塊」で囲まなければならない。

コンクリートの壁だけでも、厚さ二メートルを要する。宇宙船でも、アルミ合金の厚さは六センチメートル以上求められる。

 火星の極冠は、固体の炭酸ガス(ドライアイス)と、わずかな氷で形成されている。これを融解させれば、温室効果が得られる。

温暖でないと、植物は育たない。日射量が足りないと、光合成(光を葉緑素の中に取り入れて、二酸化炭素と水分から有機物を作り出し、酸素を放出すること)が行われず酸素を作れない。

 初めは、火星の地表面に植物性微生物を増殖させる。いずれ、二酸化炭素を吸収し酸素を放出してくれるだろう。

 火星には、「風」が不可欠だ。植物は風にゆらされることで、根や幹が土中に根付く。授粉もまた、風によってなされる。

 人類も全ての生物も、細菌(バクテリア)や微生物(マイクロウブ)なくして生存はできない。

発酵と腐敗がなければ、生命は成り立たない。火星に海がもたらされ、大気が形成されれば細菌や微生物が増殖されるであろう。
 

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