蝶々結び
月に照らされた創太の髪は、さっきよりも綺麗な蜂蜜色に輝いていた。


「今までは、俺の事を友達やと思ってたやろ?ゆっくりでええから、これからは恋愛対象として見てくれ」


「創太……」


やっとの事で状況を把握する事は出来たけど、満面に笑みを浮かべた創太に返す言葉が見付けられない。


どうしよう……


何を言えばイイの……?


「今は何も言わんでええから、ゆっくり考えとけ!夏休みは長いねんからな♪」


創太の言葉に、何とか笑みを返す。


「七星は笑った方が可愛いで♪ツライ時は泣いてもええけど、七星には笑顔が一番似合うからな♪」


『可愛い』とか『笑顔が似合う』なんて慣れない事を言われて、恥ずかしくなって俯いた。


「照れてる七星も可愛いわ♪」


「もうっ……!」


創太は、いつものようにあたしの事をからかいながら、ずっと笑っていた。


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