蝶々結び
何っ……!?


『七星』って呼び捨てだしっ……!


笑顔で『可愛い』って……!?


パニックになったあたしは、視線を泳がせた。


「優子が言ってたんスよ♪」


「優子!?」


「俺、優子の弟なんスけど……」


「えぇーっ!!?」


「マジで知らなかったんスね……」


白田君はため息混じりに言って、あたしを見た。


「だって、そんな話聞いた事なかったしっ……!」


「俺の名前知ってます?」


「白田君……」


「じゃなくて!下の名前!」


白田君の名前がわからないあたしは、俯いてしまった。


「やっぱり……」


「ごめんね……」


ガッカリした素振りを見せた白田君に、小さな声で謝った。


二人だけの生徒会室には、気まずい空気が流れていた。


< 222 / 494 >

この作品をシェア

pagetop