蝶々結び
「優也(ユウヤ)……」


「ユウヤ……?」


「俺の名前、白田優也っス!改めまして、よろしくお願いします!」


「あっ、はいっ!!」


椅子から立ち上がって頭を下げた白田君に釣られて、あたしも慌てて立ち上がって頭を下げた。


「ブッ……!ハハッ……!」


白田君の笑い声で頭を上げると、彼はお腹を抱えて笑っていた。


「七星さんって、天然!?」


「えっ!?天然!?」


言われた事の無い言葉に、本気で戸惑ってしまう。


しかも白田君があまりにも笑うから、恥ずかしくなって来た。


「白田君、笑い過ぎだよ……」


あたしは拗ねたように言って、彼の顔を見た。


目尻に涙を浮かべた白田君の口元が、少しだけ緩んでいる。


その表情から、必死に笑いを堪えているんだって事がわかった。


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