蝶々結び
「えっ!?デート!?」


そんな風に考えていなかったあたしは、白田君の言葉に過剰に反応してしまった。


「男と女が遊びに行くのって、立派なデートっスよね?」


あたしには、“立派”なのかどうかなんてわからないし、それ以前にこれが“デート”なのかどうかすらもわからない。


「そうなの……?」


目を見開いたまま訊くと、白田君は苦笑した。


「俺は、デートだと思ってましたけどね……」


「そう、なんだ……」


腑に落ちないあたしは、納得出来るような出来ないような微妙な気持ちのまま、白田君と別れた。


デートのつもりなんて無かった。


だけど…


白田君の言葉で、あたしから“デート”と言う言葉が離れなくなってしまった。


初デートだったのにな……


そう思った時、何故か上杉先生の笑顔を思い出してしまった。


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