蝶々結び
あたし達はバッティングセンターを出て、学校の近くまで歩いた。


「ここでイイよ!白田君、電車でしょ?反対じゃない……」


「家まで送りますよ!」


「ありがとう。でもまだ明るいし、大丈夫!」


あたしは白田君に笑顔を向けて、彼からの申し出を断った。


「そうっスか……」


「うん、ありがとう!」


もう一度お礼を言って、白田君に背中を向けたけど…


「あのっ……!」


突然後ろから肩を掴まれて、弾かれたように振り返った。


「あっ、すみません……」


「ううん……。ちょっとビックリしただけだから……。えっと、どうしたの?」


「あのっ……!俺なんかとデートしてくれて、本当にありがとうございました!楽しかったっス!」


体の向きを変えて訊いたあたしに、笑顔の白田君が一気に言った。


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