蝶々結び
「お前、笑った方がイイよ♪」


「え……?」


「その方が可愛いって!」


上杉先生の言葉で、顔が一気に熱くなった。


「そういう反応もかなり新鮮でイイな♪」


「からかわないで下さいっ!!」


あたしが必死に言うと、上杉先生はニコッと笑った。


「からかってねぇよ!ほら♪」


先生はそう言って、あたしに荷物を渡した。


恥ずかしくて俯いていると、上杉先生があたしの頭をポンポンと優しく叩いた。


「じゃあな!須藤七星♪」


あたしが驚いて顔を上げると、先生はもう歩き出していた。


「あっ、先生っ!!荷物、ありがとうございましたっ!!」


慌ててお礼を言うと、上杉先生は背中を向けたまま手を振ってくれた。


先生があたしの名前をちゃんと覚えていてくれた事が、すごく嬉しかった。


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