蝶々結び
結局、あたし達は曖昧な状態のまま資料の整理を再開した。


ホッとしている反面、白田君の事が気になって仕方なかった。


創太の時もそうだったけど…。


告白されたから白田君が気になるなんて、あたしって気が多いのかな……


恋愛経験が無いせいか、こんな状態になるとどうすればいいのか全くわからない。


でも……


ちゃんと断らなきゃ……


不安が募る中で資料の整理を終え、あたし達は生徒会室を後にした。


「七星さん、ちょっと時間ありますか?」


白田君の言葉に、皆があたし達に視線を集めた。


「あっ……!うん……」


あたしは後ろにいる上杉先生を気にしながらも、小さな声で返事をした。


「じゃあ、ちょっとだけ話をさせて下さい!ね?」


白田君に促されて、皆の視線を浴びたまま彼に付いて行った。


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