蝶々結び
上杉先生とのデートから数日後。


優子と会う約束をしたあたしは、駅前のファミレスに来ていた。


今日は予備校が休みだから、時間がある。


だから、上杉先生との事を優子に打ち明けるつもりで、思い切って彼女を誘った。


優子の反応が恐くて、昨日はちっとも眠れなかった。


緊張のせいか、気分が悪い。


もう、帰りたい……


「七星っ♪」


あたしが不安に負けそうになっていた時、優子が来た。


「あっ……!久しぶり……」


「うん、久しぶりっ♪」


「急に呼び出したりして、ごめんね……。時間、大丈夫?」


「うん♪今日はバイト休みだし、あたしも七星に会いたかったから♪」


優子はそう言うと、ニコッと微笑んだ。


あたし達は近くにいた店員に注文をした後、しばらく他愛のない話をしていた。


< 360 / 494 >

この作品をシェア

pagetop