蝶々結び
「先生の事はもうイイの?」


あたしはほんの少しだけ不安になりながら、控えめに尋ねた。


「うん、もう全然!確かにイイなぁ〜とは思ってたけど、上杉先生には彼女がいるもん!それに、先生だって生徒なんか眼中にないでしょ!」


優子はそう言うと、グラスを持って立ち上がった。


「そっか……」


「七星もまだ何か飲む?」


「あたしはもうイイよ……」


あたしが首を横に振ると、優子はドリンクを取りに行った。


内心では、彼女が上杉先生の事を諦めていた事にホッとしていたけど…


その事と、あたしが先生と付き合っている事は別問題…。


優子が戻って来たら、ちゃんと正直に言おう……


グラスの氷を見つめながら、そう決意していた。


緊張しているせいか、優子が戻って来るまでの時間がすごく長く感じた。


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