蝶々結び
受験までの残りの1ヶ月間は、必死に勉強をした。


朝は早くから、夜は遅くまで机に向かっていた。


お風呂に入る時も、単語帳は必須だった。


学校でも、休み時間や自習の時間にひたすら問題集を解く。


いくら推薦でも、出来るだけの事はしたい。


そんな強い思いがあったあたしは、今までで一番勉強していたと思う。


両親や上杉先生、優子にも心底呆れられてしまう程に…。


その甲斐があってか、あたしは見事に合格し、志望校への進学が決まった。


合否通知が届いた日は両親と一緒に通知を読んで、『合格』の二文字を確認した。


そして…


約束通り、誰よりも先に上杉先生に連絡をした。


「もしもし、七星っ!?」


一回目のコールで電話に出た先生は、ずっと携帯を気にしてくれていたんだと、すぐにわかった。


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