蝶々結び
それから1週間が経っても、噂は広まるばかりだった。


それどころか、ありもしない話まであちこちで飛び交っていた。


「生徒会でも、先生と須藤さんは仲良かったらしいよ!」


「てか、須藤さんってもう妊娠してるって……」


「えっ?それって、マジでヤバくない?」


「あんなに大人しそうなのに……。しかも推薦貰って、偏差値の高い大学にも受かったんでしょ?合格も取り消されるんじゃないの?」


「もしかして、優等生だったのも先生に近付く為とか!?」


言いたい放題の生徒達に苛立ちながらも、じっと堪えていた。


人の噂なんて、そのうち別の事に変わる。


それに、もうすぐ冬休み。


たった2週間でも、休みがあればきっと噂は無くなる。


だけど…


あたしの願いも虚しく、あたしと上杉先生はとうとう校長室に呼び出されてしまった。


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