蝶々結び
あれ……?


痛く、ない……?


確かに叩かれた音がしたハズなのに、頬に痛みを感じなかった。


不思議に思って、ゆっくりと目を開く。


すると、目の前には頬を押さえた優子が立っていた。


叩いた子は、目を見開きながら彼女を見ている。


その周りにいる女子達も、呆然としていた。


「白田さんっ……!ご、ごめっ……!」


「七星は何も悪くないよっ!!上杉先生が好きなら、先生に告(イ)えば良かったじゃないっ!!自分の気持ちも告えなかったくせに、七星にとやかく言う権利なんてないよっ!!」


叩いた子の言葉を遮った優子は、教室中に響くような声で言い放った。


いつもは優しくて可愛らしい優子の剣幕に、思わず呆然としてしまいそうになったけど…


「優子……。あの……」


あたしは驚きを隠せないまま、恐る恐る彼女に声を掛けた。


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