蝶々結び
今日は入学式。


在校生は春休みの最終日だけど、あたしは副会長だから出席しなければいけない。


副会長の仕事自体は嫌じゃないけど、こういう時はつい面倒臭いと思ってしまう。


そんな事を考えながら、制服のカッターシャツを着てからブレザーを羽織って、赤いリボンを付けた。


「行ってきまーす!」


「行ってらっしゃい!」


身支度を整えた後、母に声を掛けてから家を出た。


「おはよう、七星ちゃん。」


「おはようございます」


隣のおばさんに挨拶をして、学校に向かった。


家から学校までは歩いても10分程度で、あたしはいつも通り学校までの道を歩いた。


今の季節は、校内の中庭に植えてある桜の木が満開の花を咲かせている。


この時季だけはまずはそこに行くのが、あたしの密かな日課なんだ。


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