蝶々結び
「ねぇ、どこ行く!?」


優子に笑顔で訊かれて、すごく驚いた。


「え……?あたし……?」


「そうだよ〜♪ってゆーか、七星以外にいないじゃん!」


優子は笑顔で話しながら、バッグを持ち上げた。


同じ高校の友達に誘われたのなんて、初めてだった。


「あっ、えっと……」


嬉しさと驚きが混じり合って、上手く話せない。


「あっ、嫌……?それとも用事があるとか?」


控えめに訊いた優子に向かって、力いっぱい首を横に振った。


「アハハッ!!そんなに頑張って首振らなくてもイイよ!」


「あっ、そっか……。ハハッ……」


自分の行動が可笑しくて、笑いが込み上げて来た。


「じゃあ、ご飯行こ♪」


「うん♪」


「あ〜、お腹空いたぁ〜!」


あたしは、優子と一緒に教室を後にした。


< 54 / 494 >

この作品をシェア

pagetop