蝶々結び
“お祭り”と言うのは、そこの土地の守り神様がいると言い伝えがある神社で、毎年同じ日に行われている行事の事。


神様なんて、たぶん迷信なんだろうだけど…


田舎の祖父母は、『神様を奉(タテマツ)る事に意味がある』って言っていた。


そして皆の健康と畑の豊作を祈って、お祭りの時に“舞”を踊る。


とにかく、田舎にしては盛大に行われるそのお祭りは、準備も大変らしい。


あたしは準備を手伝った事は無いけど、母は何年かに一度は手伝っているみたい。


「……こらっ!!聞いてるの!?七星!」


「えっ、何?」


母に大声で呼ばれて、慌てて返事をした。


「もう〜っ!!だから、今年もしっかり頑張って!って言ったの!」


「あ〜、はいはい……」


適当に相槌を打った後、ため息混じりに荷造りを続けた。


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