蝶々結び
夏休みに入ってすぐに、田舎に行く事になった。


「今年はちょっと早くない?」


あたしはリビングで荷造りをしながら、隣にいる母を見た。


「おばあちゃんから、『お祭りの準備を手伝って欲しい』って電話があったのよ」


すると、母が荷造りをしながら答えた。


「じゃあ、お父さんはどうするの?」


「またいつもと一緒!少し早めに休みを取って、お祭りに合わせて後から来るって……」


「ふ〜ん……」


「あっ、アンタもお祭り大丈夫よね!?」


母に訊かれて、思わず眉を寄せてしまう。


「大丈夫も何も……田舎にずっといるんだから……」


「違うわよ!踊り、大丈夫?」


「あ〜、たぶん……」


「たぶんじゃないわよ!しっかりしてよ!?」


あたしはため息をついてから、小さく頷いた。


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