向日葵

「・・ねえ、ちょっと」
行き帰りの電車に乗っていた時、ゆかりが隣で言った。
「え、なに?」
「ガキってなによ」
「・・ガキ?」
俺は彼女を横目で見た。
「昨日、潤、あたしになんて言ったのよ?え?」
「あ・・あれか、遊び半分でやるな、ガキ。だっけ」
「そう、それ」
「それがなに」
「ガキじゃないんだけど。謝りなさいよ」
「誰にだよ」
彼女はしばらく間をあけて、「あたしに決まってんでしょ」と言った。
「うん」
「あんた、うんってなに、ちょっと・・」
そのとき、ちょうど駅に着いた。
俺はスタスタを彼女を置いて行った。
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