向日葵
2話
「母さん」
俺は、ノックせずに病室のドアを開けた。
真紀子は一瞬驚いた表情をし、すぐに表情を緩めた。
「・・潤。来てくれたんだね。・・ありがとう」
俺はコンビニで買ってきたお菓子を冷蔵庫の上に置いた。
「・・あれ。それ」
俺は棚のうえにある花を指さした。
「お母さんが」
真紀子は咳きこんだ。
「大丈夫?」
「・・うん。大丈夫よ。・・お母さんがね、買ってきてくれたのよ」
「おばあちゃんが?」
「・・ええ」
俺は分厚いコートを脱ぎ、ハンガーにかけた。
「学校は・・どう」
真紀子は体を起こした。
そして、微笑んだ。
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