そんな会長が大好き
俺とネコと会長と、
「…それでは、今日の会議はこれで終わる」
生徒会長であり、幼なじみである神坂ユウキ(3年)の一言で会議は解散となった。

俺は牧野真也。生徒会の副会長で、ただの平凡な高校2年生である。

生徒会長である神坂ユウキは、成績優秀、スポーツ万能であるのだが、感情を出さないから、周りからはもっぱらサイボーグやら機械やら言われている。

「何で、好きになっちゃったんだろうなぁ〜?」
誰もいない生徒会室で一人呟く俺。

まぁ、機械とか言われている彼女のあんな所みちゃったらなぁ。
そう、あれは1週間前の雨が降っていた日のことだった。

「あっちゃー、雨降ってきたよ」
傘もないし、こんな日はすぐ家に帰ろう、そう思って走っていた帰り道。
「…ゃー…」
「ん?なんだ」
突然、声がしたので角を曲がり、公園に向かった。そこには、「にゃーにゃー」
「…」
捨てられているネコが二匹、ダンボールの中にいた。
「…マジかよ、こんな雨の中にずっといたら死んじまうぞ」
「にゃー…」
「くそっ、ちょっと待ってろよ」
そう言って、俺は全力で家に帰った。タオルを取り出し、家から飛び出るようにネコに向かって走っていた。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop