【詩集】吟遊詩人になる前に
『発光』
世界が変わる瞬間はある

古くからの友と

海を見た帰り道

友の運転する車で

県境のトンネルを抜けたとき

俺たちは白い発光に包まれた

それは、夕陽の光だったのだ
けど…

暗闇が薄く白く透けていく

世界が真っ白に輝く発光と化


俺たちは、子供のように声を
あげた

あのとき、世界は変わったんだ

ずっと…

夢を見つづけてもいいと思った
んだ

今は

遠くの街で一人暮らす友よ

元気だよな?

傷ついたっていい

泣いたっていい

倒れたっていい

少しだけ、少しだけ…

立ち上がる力が残っていれ


それでいい

だって…

俺たちが包まれた発光は

長い暗闇を抜ければ

必ず光に辿り着けるという

証明だったのだから…
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