☆★グリン・ピース★☆
今、光はまだ

生死の境を彷徨っていた。


刺されたのは胸の少し下。

急所はかろうじて免れたが

出血がひどく

病院内の血液ではとても

間に合わなかった。


光の血液は特殊なものだった。


美恵子は体が弱く

とても血を提供などできない。


間宮は知らせを聞き

病院に駆けつけたが

悔しいが光に血を分ける事が

できなかった。


血液型が合わないのだ。


光を助けるには一刻も早く

輸血が必要だ。


近い親族で血液型が合致する者

可能性があるのは

たった一人しかいなかった。


間宮はまんじりともせず

祈るように連絡を待っていた。
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