異常
絶望
 少女は暗く閉ざされた″どこか″の椅子に座っていた。                                   いや、椅子に両手・両足を紐のような物で縛りつけられて立てないでいる。                                     
「見なよ・・馬鹿ばかりだ」                                                ソファーに座っている一人の男がテレビを指差した。テレビの光で男の姿が一つ暗闇に浮かぶ。男は親指の爪をかじり、苛立っているようだ                                            
 少女は酷く怯えている。                                    
 男は怯えた仕草を見せた少女を見て、優しく微笑んだ。
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