異常
「君のような娘は今は珍しくなった・・こういうのもなんだけど」                               男はいったん言葉を止め、サイドテーブルにある水を飲み「君は貴重なんだよ」と言って、飲み終えたグラスを置いた。                             
 貴重?この男は何を言っているのだろう。私は普通の人間。                                
 少女はどこにでもいるような人間だ。                              
 こんな所にさえ連れてこられなければ、友達と他愛のない話をして放課後をすごしたり、好きな男の子のことを想い浮かべては眠れない夜を過ごすような、平凡な女の子。                              
 特別扱いなんて受けたこともないような。
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