異常
 繰り返される“実験”により、私は身体と精神を傷つけられ、いつしか殺戮の衝動に駆られるようになった。                                  
 気がついた時、私は愛情を注いでいた猫をこの手にかけた。                                
 無残にも、猫と呼べなくなったそれを道路に放置した。                                  
 あっけないものだった。                        
 命なんて、脆くちっぽけなものだった。                             
 人間はもう少し頑丈なのだろうか。
< 10 / 28 >

この作品をシェア

pagetop