異常
 そう考えてしまう自分が恐くなった。                              
 愛猫の命を奪っても平然とし、もっと違う物を手にかけたいと思っている自分が恐くなった。                             
 私は罪を重ねないように自分を抑えようとした。                         
 抑える術を知らない私は、空想することを覚えた。                        
 幼い私の抑える術は虚しいものだった。                             
 抑える為に覚えた空想が、さらに私の欲求をかきたてた。                                 
 空想はどれも残酷なもので、それを現実のものにしたいと思うようになるには、それほど時間はかからなかった。
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