ぼくの太陽 きみの星
「……あ」



気づいて、琢磨くんが足を止めた。

鷹耶も挑発を受けるように、ほんのりと笑みを浮かべたままゆっくりと立ち止まる。



二人の視線がぶつかり合った。

火花がばちばち飛びそうな勢いで。



風がさらさらと二人の髪を揺らす。




沈黙を破ったのは、鷹耶の軽い声だった。


「おかえり、未怜」


首をかしげて、あたしに向かってにっこり笑う。

とりあえず、琢磨くん完全無視。



そこへ、琢磨くんは、すっと一歩前へ出た。


「未怜ちゃんと同じクラスの城崎といいます。

未怜ちゃんと付き合ってます」


よく通るはきはきとした声。
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