ぼくの太陽 きみの星
鷹耶は、まるで初めて気づいたかのように琢磨くんに目をやった。

恐ろしく興味なさげに。


あんな目つきで見られたら、存在自体を否定されたかと思ってしまいそうな、そんな冷たい目つき。



「未怜ちゃんにちょっかい出すの、やめてもらえませんか」



(た琢磨くん――!)



突然の直球ど真ん中に、あたしは腰が抜けそうになった。



「あなたにとっては遊びかもしれないけど、未怜ちゃんにとってはそうじゃないんだ」



鷹耶は、ちょっと興味が沸いたような様子で、目を細めてしばらくじっと琢磨くんの顔を見つめていた。


まるで、捕らえた獲物をどこから料理しようか考えてる、獰猛な肉食獣みたいに。


やがて、にやっと笑うと口を開く。



「ちょっかいって、具体的に言ってくれないかな?

オレが未怜にいったい何したっけ」



笑いを含んだ、なめらかな声。
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