ぼくの太陽 きみの星
差し出されたのは、プリンの入った箱だった。

思わずベッドの上で飛び上がる。


「うそっ、うれしい、ありがと。

食べる食べる。

一緒に食べよっ」



二人でプリンをぱくつきながら。

琢磨くんは口を開いた。


「ここにはお兄さんが入れてくれたんだ」

「……鷹耶が?」


言いかけて、急いで言い直す。


「お兄ちゃんは、どこ?」

「1,2時間ほど出かけてくるって」

「そう……」



鷹耶。


あたしたちに時間をくれたんだ。



「またケンカ覚悟で来たのに。

未怜は上で寝てるからどうぞって、あっさり通してくれた。

なんか激しく拍子抜けしてるところ」


琢磨くんは無邪気ににこっと笑った。
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