ぼくの太陽 きみの星
「お母さんも、ちょっとヒステリックになりすぎたって思ってるみたいだよ。

帰ったら、今度は落ち着いて話できるよ、きっと」


琢磨くんは、あたしの腕に手を置いた。


その茶色い瞳が真剣になる。



「未怜ちゃん、このまま帰ろ。

何が起こったか知ってる人は、おうちの人以外はぼくしかいないから。

警察にも捜索願とか出してないしね。


学校も、病気で休んでることになってる。

担任の先生と校長先生だけは、家の事情でちょっと学校に行けない状態だって知ってるけどね。

それでも詳しいことは伝えてないんだ。

ことを大きくしない方が、未怜ちゃんが帰ってきやすいからって、お父さんが」


「……そう」


あたしはほっとしてうなずいた。

ありがたい配慮。


「だから、安心して帰ったらいいよ。

今ならすぐ普段通りに戻れる。


それに……」


琢磨くんは、ためらいがちに言葉を切った。


「……それに?」
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