ぼくの太陽 きみの星
「やめっ」


ついこの腕に溺れそうになるのを。

あたしはやっとのことで、体を鷹耶からぺりぺりと引きはがした。



琢磨くんと付き合おうとしてるのに、「お兄ちゃん」とこんなこと、できない。

いくら「遊び」でも。


あたし、そんなに器用じゃないもん。

鷹耶じゃないもん。



そんなあたしを見て、鷹耶は小首を傾げて「?」というように微笑んだ。



そうやってにっこり笑うと、顔だけはまるで天使のよう。


吸い込まれそうな夜の色の瞳。



「……ママ、もう帰ってくるから」


あたしは小声で、やっとそれだけ言った。



それなのに。

鷹耶はそんなあたしにはお構いなしで、あたしを後ろから抱きかかえ、どさっとベッドの端に腰掛けた。


「きゃっ、ちょっと……」


後ろから、あたしを羽交い絞めに抱きしめる。
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