ネコ専務シリーズ2
のらねカンタービレ
東京・中野区の一角では、のらねこたち
の楽団が活動していた。

彼らは時々練習場所を変えながら、夜中
にみんなで歌を歌い、猫生を謳歌して
いるのだった。


(寝たわね・・)

抜き足差し足、音を立てないように気を
つけながら、シロは歩く。

ネコ専務は、シロが車にはねられないか、
ケンカして怪我しないかなどと心配して、
彼女が夜中に出歩くことをあまり好ま
ないので、

愛されているこのメスの白猫は、ネコ
専務が眠った後にこっそり出かけて、
目覚める前に静かに戻っているように
しているのだった。




< 85 / 208 >

この作品をシェア

pagetop