ウルフな彼
はじかれたように
顔を上げると
つまらなそうに
立っている妃奈さん。
右手にはまだ煙が
出ている拳銃。
レンさんと同じ…
冷たい目…。
「全部そいつの
言う通りだよ。
だから事情は
わかるでしょ?
さっさと人質に
なってくんない?」
そう言って
また美柚さんに
銃口を向ける。
「ほら。
あたし気が短いの。
早く決めてくんなきゃ…
この人死んじゃうよ?」
ドクン…
と嫌な脈をうつ。
このままじゃ…
美柚さんが…
でもオウガを
困らせたくない…
足を引っ張りたくない。