%コード・イエロー%

「あのさぁ、ちょっと訊いてもいいかな」


永井は、周りを気にしながら私を柱の影に引き込んだ。

今日は珍しく患者さんがまばらで、受付も仕事がないみたいだけれど。


「何?」


永井は、小さなハムスターのような目で、私を見つめる。


「あのさ、藤崎さんて、仲地先生と付き合ってるの?」


「えっ!?」


「いや、なんかそんな気がして。勘なんだけどさ。

ほら、前にも仲地先生にカルテを探すの頼まれてたでしょ」


どきどきと口から飛び出しそうに心臓が飛び跳ねる。

海東だけじゃなくて、永井にまでばれているなんて。


「ぐ、偶然だよ。むこうは私の顔と名前が一致してるかあやしいし」


目が泳いでるな、と自分でも思った。

永井のくりくりした瞳で見つめられると、罪悪感が波のように押し寄せてくる。


ならいいんだけど、と言いつつも、永井は一言付け足した。


「仲地先生はさ、やめたほうがいいよ」

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