%コード・イエロー%

「手術の説明は主治医が行った。

けれど彼は、次に控えていた急患にすでに麻酔の指示を出していたために、

君のご家族に術後の説明をする時間を削ったんだよ」


「そんな!」


「もともと腹膜炎の可能性は薄かったので、手術時間は短く見積もっていたんだ。

執刀は私で彼女の担当医だったが、主治医である彼も指導医として一緒に手術室にいた。

けれど実際に中を開いたら、手術が難航してね。かけもつはずの手術に遅れてしまった。

それで、彼は縫合と術後の経過みるよう私に命じて、次の手術にうつったんだ」


呆然とする私の横で、亮雅が初めて口を開いた。


「医療ミスじゃなかったっていうのか?」


「わからない」


「わからないってどういうことだ」


静かな声。

けれどその中には、苛立ちよりももっと深い、怒りの感情が閉じ込められていて。


「亮雅ってば!」


さっき里佳子を止めたのと同じような展開になる。

どうしてだろう。

海東を責めるはずの私が、三人の中で唯一中立な立場に思えた。

< 385 / 481 >

この作品をシェア

pagetop