%コード・イエロー%
「手術の説明は主治医が行った。
けれど彼は、次に控えていた急患にすでに麻酔の指示を出していたために、
君のご家族に術後の説明をする時間を削ったんだよ」
「そんな!」
「もともと腹膜炎の可能性は薄かったので、手術時間は短く見積もっていたんだ。
執刀は私で彼女の担当医だったが、主治医である彼も指導医として一緒に手術室にいた。
けれど実際に中を開いたら、手術が難航してね。かけもつはずの手術に遅れてしまった。
それで、彼は縫合と術後の経過みるよう私に命じて、次の手術にうつったんだ」
呆然とする私の横で、亮雅が初めて口を開いた。
「医療ミスじゃなかったっていうのか?」
「わからない」
「わからないってどういうことだ」
静かな声。
けれどその中には、苛立ちよりももっと深い、怒りの感情が閉じ込められていて。
「亮雅ってば!」
さっき里佳子を止めたのと同じような展開になる。
どうしてだろう。
海東を責めるはずの私が、三人の中で唯一中立な立場に思えた。