%コード・イエロー%

4月。

全ての若葉が萌えいづる季節。


私は、慣れない仕事にてんてこまいしながら、けれど充実した毎日を送っている。


え?試験の結果?

それはもちろん。


「看護師さん、すいません。点滴が終わりそうなんですけど」


「はい。小林さん、今行きますね」


ちょうど2週間前から、私はこの病院で働いている。

もちろん、ぱりぱりの白いナース服を着た、新人の准看護師として。


「あの、小林さんの点滴終わりました」


「わかった。藤崎さん今日はもう終わりでしょ?

引継ぎも終わってるし、患者さんに捕まらないうちに早く帰ったら?

例の強引な彼氏が待ってるんでしょ」


私と同い年の先輩看護師が、意味深に微笑む。


「え~!藤崎さん、彼氏いるの?」


今日だけ外来からヘルプで来ている若い看護師さんが、興味津々に話に割って入ってきた。



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