ミズイロ
「藍田くん…」
彼は電柱柱に手をついて、笑っていた。
そして、ポケットから何やら紙を取り出した。
それは、あのアドレスの書いてあるメモ用紙。
「この通りに打ったはずなんだけど、メール送れなかったんだよね」
「えっ?」
「エラーになっちゃうんだ」
「ちょ、ちょっと待ってねっ…」
声を手を震わせながら、ポケットから携帯を出して、自分のメニュー画面からアドレスを出した。
二人で紙と画面を見比べる。
「あっ、これ“9”じゃなくて、アルファベットの“q”か!」
彼は笑ってまた鼻をかいた。
「あっ」
彼が指を指した。
斜め上の方。
七色の幸せが小さく輝いていた。
