俺様☆姫様★王子様 【完】
サヨナラ
チリンチリン――…
店を出ると、さっきバイクを停めた駐輪場へ向かおうと歩きだした。
すぐ近くなのに、ゆっくり歩くあたし達。
少したった所で、急に要くんが歩いてた足を止めて、振り向く。
もう要くんのバイクは見えてて、どうして止まったのかわからずにあたしはアスファルトにあった視線を要くんに移動させた。
「………」
あたしを見たまま、何も話そうとしない彼に、首を傾げながら
「なに?」
と質問してみる。
その声は自分でも驚くほどに無愛想で、ちょっとだけ後悔した。
だって、見上げた要くんは凄く寂しい目をしてたから。