Sommerliches Doreiek〜ひと夏の恋〜
数分間の流星の束が真っ暗な空に消えていった。
静かに時が動き出す。
「……思い出したよ優斗。私はあなたを知っていた。」
悲しくなんて無いのにトクンと大きな鼓動を打つ私の心臓。
「……うん。」
優斗はそう言って静かに私に近寄ってくる。
手が触れる距離。
抱き締められる距離。
小さく優斗の瞳に私が写って。
優しく唇が触れ合う。
つぅっと涙が一筋こぼれ落ちて、流星みたいに地面にあっという間に消えていった。