君だけに夢をもう一度 15の心
「小田君は美容師、自分は音楽、それしかできない。なんか、お互い器用じゃない性格だけど、それだから、わかるんだ。たった、ひとつしか自分にないものを大事にしているところが、なんとなく同じだと思ったんだ」

正和が、はっきり言い切った。

「そう・・・・・・」
小田は嬉しく笑顔を見せた。
その顔つきは女の子が照れるような雰囲気だった。

「遅れてごめん! 」
竹中が倉庫に入ってきた。

その瞬間、小田は引き締まった顔つきに戻った。

竹中は作業着を脱いでTシャッ姿でエレキギターを持った。

「じゃ、始めよう」
竹中の一声で演奏が始まった。




< 211 / 239 >

この作品をシェア

pagetop