君だけに夢をもう一度 15の心

真紀子との夜 ②

1985年4月。
コンサート前日。

竹中の倉庫で三人は演奏のリハーサルをしていた。

「もう、こんな時間だ」
小田が腕時計を見た。
午後7時を過ぎている。

「もう一度、練習して終わりにしょう」
竹中が言って、三人は『勝手にシンドバット』の演奏を始めた。

1ヶ月間、三人はミニコンサートにむけての演奏の練習をしている。

コンサートの演奏は5曲ほど予定している。
三人の演奏レベルは、人に聞かせるまでの実力ではなかった。

だが、正和も小田も、竹中の父親に聞いてもらうために練習をした。
竹中は、そのことが嬉しくて二人に感謝している。

バンドは正和がリーダーだった。

「ところで、まだバンド名を決めていないけど、どうする? 」
演奏を終えて、正和が二人に相談した。

手作りで作ったチケットにもバンド名は書いていない。

1ヶ月間、上手く演奏することしか頭になかった三人は、バンド名のことなど後まわしにしていた。







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