Cスクール~崖っプチの15歳~
こんなことあると思わなかった。中学生が洋楽を聞くのすら珍しいのに、その中でお互いが同じものを聞いていたなんて。

私たちは笑った。
こんなにも似ている二人が出逢った。
それが嬉しくて、笑い合った。

「俺ら、お互いなんも知らないな」

「ね。他に何聴くの?」

私たちは音楽を通じて絆が深まった。

「今度貸してやるよ。てか家遊び来いよ」

「うん。ありがとう」

ユミちゃんが遊びに行っていた彼の家。

なんだか急に悲しい思い出がよみがえった。

「お前と別れてから、ユミは遊びに来てねーよ。あいつ別れさせるのが目的だったみたい。気付けなくてごめんな」

「ううん。あのさ、誰にも言わないでほしい。恐いから……」

もし、林さんやユミちゃんに知られたら、何をされるか分からないから恐かった。

「あぁ。言わないよ」
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