瞬く命
戦いは終わった。


もう撃ち合うことはない。


味方の機体に引っ張られ、戦線を離脱する俺の機体が、

さっき脱出した連邦の小型機を映した。


そこから飛び出した人影が、

手を広げて、その影を待つ

仲間達が乗っている脱出艇に向って、

飛んでいく。






「そうか...」

俺はフッと笑った。

「あいつも…待ってるやつがいるんだ」

それは当たり前のことだった。

連邦のやつにも、

家族がいる。

そんな当たり前のことを忘れていた。





俺の目に涙が流れた時、

映像が途切れた。

機体のモノアイが消え、

俺の愛機は活動を完全に停止した。




「…ありがとう」


俺は、愛機に最後の礼を述べた。

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