天使的に☆悪魔的な
青依はもう解ってる。


【アンタ、二重人格でしょ??
輝本 里衣。】


あの最初の宣戦布告に
アタシはビックリしたよ。


嘘は得意。
演技は大得意。
愛想笑いはもう特技。



そんなアタシを
一発で見破った青依は
只者じゃない。


そう思って
小さい頃鍛えた技で
対抗したはずなのに、




何度手を伸ばしたって
アナタには届かない。


分かってたのよね、
何も言わなくとも
アタシの事。


だから殴ったのね。
だから叱ったのね。
そして今も
傍にいるのよね。



無駄な戦いを
アタシにさせないために。



アタシはそっと
遠くを見つめる青依を
チラミする。


巻いてないはずなのに
いいようにくせ毛になってる
真っ黒なロング。
濃いピンクを描くリップ。
綺麗よりの顔立ち。
筋肉がスゴくついてるのに
女らしい体つき。


その姿まで
様になってるわね。


「………そろそろ、
学校に向かう??」

アタシがそう問いかけると


「まぁ、あの居心地悪い
家よりかはマシね。

まぁまた寮は里衣と
同じ事を祈るしかないわね。」



そう言うと、
返事はくれなかったけど
青依は静かに歩き出した。


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