天使的に☆悪魔的な
『………衣………里衣………里衣!!!!』










誰かがあたしを呼んでいる。




だけど声が出なかった。




『………雄汰……?』








気がつけば唯一愛する人の名を呼んでいた。




絶対違うのに。




『…………俺が守るから。“雄汰”の代わりに。









だから振り向いてよ。』




そこに見えたのは、




少し形のいい顔に黒渕眼鏡。





『………南條……せん………ぱい………。』








そこであたしの記憶は途絶えた。









でも自分でもハッキリ分かったんだ。









先輩が、









あたしにキスをしたって。






だからあたしの初キスの相手は、









南條 先輩。





だから付き合ってる。





秘密がバレないように。





< 71 / 243 >

この作品をシェア

pagetop