焦れ恋オフィス



片桐に出かける前に、開発部に顔を出した。
途中すれ違う人の視線が皆俺に向けられている気がする…。

事実、そうなんだろう。

思わずもれる溜息が、部長への感謝を感じさせる。

社外に逃がしてくれて、ありがたい…。

こんなに無神経な視線…。
芽依なら泣いてるかもな。
どちらかと言えばクールで落ち着いている外見と、必要以上に頑張る仕事への姿勢が、あいつを冷めた人形のようなイメージで包みこむ。
< 186 / 312 >

この作品をシェア

pagetop